2008年6月16日(月)15:10

EU加盟国の多数はリスボン条約維持を望む

ルクセンブルク(AP)

アイルランドのEU改革リスボン条約否決にもかかわらず、EU加盟国政府の過半数は条約維持を望んでいる。ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相などいくつかの国の外相は月曜日ルクセンブルクで、条約の批准を終えていない残りの8ヶ国で批准手続きを継続するよう主張した。しかしアイルランドのミホル・マーティン外相は、同国の国民投票の決定を尊重するよう求めた。

条約の批准否決は「アイルランド国民の民主的な決定」であった、とマーティン外相は月曜日の朝、EU外相理事会に出席するため到着したルクセンブルクで強調した。外相は性急な条約救済策に警鐘を鳴らした。

シュタインマイヤー外相は「アイルランドと一緒に」解決策を模索する意向

ドイツのシュタインマイヤー外相はこの週末、アイルランドの「EU加盟一時停止」EU-Pauseもありうると発言した。これについてマルティーン・イェーガー外務省広報官は月曜日、この発言は目標を示したものではなく、「場合によってはありうるオプション」を述べたものである。シュタインマイヤー外相は「プレスとの会話で」、「私たちが実現を望まないものの、まったく排除することもできない」可能性について語ったのだ、と説明した。

シュタインマイヤー外相はルクセンブルクで、「私たちはアイルランドと一緒に打開策を見出す意向である」と強調した。しかしまず考えられるのは「一つの代案だけ、すなわちリスボン条約の批准手続きを継続することだ」と語った。

前欧州委員のフランコ・フラティーニ・イタリア外相も同様の発言を行った。アイルランドの否決は「冷や水を浴びせるものだが、私たちは批准を継続しなくてはならない」と外相はルクセンブルクで語った。同じくフランスのジャンピエール・ジュイェEU担当政務次官も批准手続きの継続を主張した。「私はリスボン条約が死文化したなどとは言えないと考える」と政務次官はフィガロ紙 Le Figaroに語った。

オーストリアのウルズラ・プラスニク外相も、リスボン条約に関して「死だの法医学的判断だのといったレトリック」を弄すことに反対した。大事なのは、アイルランドに対してもまたすでに条約を批准した国々に対しても公正な解決策を見出すことである」。「アイルランドに対する公正、これをモットーにしなくてはならない。またわが国のように条約批准に賛成した国々に対する公正も」とプラスニク外相は求めた。

イギリス政府も批准手続きの継続を主張

フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ外相は、アイルランド政府を念頭に、「私たちは友人を置き去りにしない」と語った。しかしフィンランドは改革条約を堅持すると述べた。イギリスのデーヴィッド・ミリバンド外相は「私たちはアイルランドやアイルランド国民を踏みつぶして行くことはしない」と約束した。その一方で外相は、条約を予定どおり水曜日にイギリスの上院で票決にかけ、批准手続きを完了させる、と強調した。

EUの諸条約は通常は加盟全27ヶ国で批准されなければ発効に至らない。それゆえ批准手続きの継続は、遅かれ早かれアイルランドが再度国民投票を実施しない限り、意味を持たない。先週木曜日に行われたアイルランドの国民投票では、反対が約53パーセントに達し、条約は否決された。

原題:Mehrheit der EU-Staaten wollen an Reformvertrag festhalten




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